次世代コラーゲン・カラダラボ

Opinion Columnオピニオンコラム

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01 コラーゲンは全身に存在する「カラダのもと」
健康維持のために、効率的な補給を

藤本 大三郎 先生
東京農工大学 名誉教授/理学博士
Profile

細胞をつなぎ、臓器を作るコラーゲン
歩行や認知症とも関係

コラーゲンは、体を支える、臓器を作る、細胞をつなぐ足場となるなど、私たちの体になくてはならないものです。しかし、年齢を重ねることでコラーゲンの量は減り、質が変化するため、日常生活の動きがスムーズにいかなくなったりします。老化して歩けなくなるのは、量・質の変化でコラーゲンが筋肉をつなぐ役目を果たせなくなることも一因です。コラーゲンを補給することで、歩行や認知症などが改善するという研究結果も発表されています。


関節の構造

関節の構造

関節軟骨のコラーゲンは、クッションの役割をしています。

骨の構造

骨の構造

骨の構造は"鉄筋コンクリート"に似ています。 (コラーゲンは鉄筋、カルシウムはコンクリートのような役割)

効率的な吸収のポイントは低分子

コラーゲンはタンパク質の一種であり、肉、魚など様々な食品に含まれています。食品から摂ったコラーゲンは、体内で消化されて、大半はアミノ酸に分解されますが、アミノ酸はコラーゲンになるとは限らず、筋肉など他の材料になる場合が多くなります。
コラーゲンを体内でしっかり吸収させるポイントは、コラーゲンペプチドの形で摂取することです。コラーゲンを分解して低分子化したコラーゲンペプチドを摂取すると、アミノ酸に分解されるものもありますが、コラーゲンの最小ユニットともいえるトリペプチドやジペプチドに分解されるものが多くなり、コラーゲンとしての吸収が上がります。さらに、最初からコラーゲンのトリペプチドになったものを摂取すれば、分解に時間がかからず、非常に効率的なコラーゲンの吸収が可能になります。

摂取のコツは、低分子を毎日少しずつ

理想は、血中にコラーゲンの材料が常に流れている状態です。一度にたくさん摂っても必要量を超えた分は排出されてしまうため、低分子のコラーゲンを毎日少しずつ摂るのが良いでしょう。コラーゲンが含まれる食べ物には脂肪分が多い傾向があるので、そこは注意してほしいところです。また、コラーゲンの吸収に欠かせないビタミンCと鉄を一緒に摂ると良いでしょう。
筋肉をつなぐ腱や骨を強化するコラーゲン、筋肉を作るプロテイン、骨を形成するカルシウムなど、役割分担を考えて栄養補給をすることで、効果的なカラダ作りにつながると考えています。

  • 藤本 大三郎 先生

    藤本 大三郎 (ふじもと だいさぶろう) 先生 東京農工大学名誉教授/理学博士

    東京大学理学部化学科卒業。東京医科歯科大学医学部助手、東北大学理学部助教授、浜松医科大学医学部教授、東京農工大学農学部教授を歴任。著書は、『コラーゲンの秘密に迫る―食品・化粧品からバイオマテリアルまで』(裳華房)、『長寿学―老化を防ぐ科学知識』(筑摩書房)他多数。

  • 福島 一雅 先生

    福島 一雅 (ふくしま かずまさ) 先生 ライズシティクリニック 院長/医学博士
    日本大学医学部スポーツ医科学講座 講師

    日本大学大学院医学研究科 博士課程卒業。米国ピッツバーグ大学整形外科スポーツ医学センター客員研究員、日本大学医学部整形外科講師などを経て現職。過去にNEC陸上部、Xリーグ鹿島ディアーズ、Jリーグ東京ヴェルディ、日テレベレーザのチームドクターを歴任し、現在も日本トライアスロン連合医事委員を務めるなどスポーツ分野のドクターとしても活躍中。

  • 黒田 愛美 先生

    黒田 愛美 (くろだ あいみ) 先生 Zetith Beauty Clinic銀座 副院長/
    トライアスリート

    獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2011年品川スキンクリニック新宿院の院長、2013年には同クリニック表参道院院長に就任。その後は予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の専門医として全国のクリニックで活躍している。体の内側と外側のアンチエイジング、両方に精通する医師として、多くの文化人、芸能人、アスリートからの信頼も厚い。2017年トライアスロン世界選手権日本代表選出。

  • 武田 猛 先生

    武田 猛 (たけだ たけし) 先生 株式会社グローバルニュートリショングループ 代表取締役社長

    18年間の実務経験と19年間のコンサルタント経験を積み、37年間一貫して健康食品業界でビジネスに携わり、国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」に基づき、先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評があり、数々のヒット商品の開発に関わる。

  • 岡田 隆 先生

    岡田 隆 (おかだ たかし) 先生 日本体育大学体育学部教授/博士(体育科学)/骨格筋評論家/理学療法士
    柔道全日本男子チーム体力強化部門長(~2021年)

    専門は、トレーニング科学、アスレティックリハビリテーション。特に体幹の研究、筋肉と体脂肪の研究(筋肥大・除脂肪・減量)を行っている。著書累計100 万部を突破。2022 年3 月9 日に「最高の除脂肪食」(ポプラ社)を上梓。トレーニングは「心と身体を鍛えるもの」をポリシーに、トップアスリートから一般の方まで、さまざまなフィールドでそれぞれに適したカラダづくりを提案・指導している。YouTube チャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は、登録者数約26 万人。分かりやすいカラダづくりの解説が人気。